ルパン三世 カリオストロの城

映画『ルパン三世 カリオストロの城』

概要

『ルパン三世 カリオストロの城』は、1979年に公開された日本のアニメ映画で、モンキー・パンチの原作によるアニメ『ルパン三世』の劇場版第2作です。本作は、宮崎駿の劇場映画初監督作品であり、彼の独自の解釈や演出が色濃く反映されています。物語は、ヨーロッパの小国・カリオストロ公国を舞台に、ルパン三世とその仲間たちが秘められた宝や偽札の謎に挑むさまを描いています。

公開当初は興行成績が必ずしも良好ではなかったものの、評論家から高い評価を受け、その後の再放送や上映により人気が急上昇しました。また、宮崎の独自の演出スタイルは後のアニメーションに多大な影響を与え、名作としての地位を確立しました。

あらすじ

物語は、世界的な怪盗ルパン三世が、仲間の次元大介と石川五ェ門と共に、モナコのカジノから情報通りに偽札「ゴート札」を盗み出すことから始まります。彼らは、その出所を突き止めるためにカリオストロ公国に向かう。公国に到着すると、ルパンたちはウェディングドレス姿の少女、クラリスを追う男たちを目撃し、彼女を助けることになり、邂逅を果たします。

クラリスはカリオストロ伯爵に迫られており、彼女を奪おうとする暗殺者たちに命を狙われます。ルパンは彼女の指輪の中に秘められた過去を思い出し、彼女のために立ち向かうことを決意するのです。彼はまずクラリスを救い出すことを試み、次に伯爵の計画を阻止するために様々な策略を巡らせます。

中盤、ルパンは伯爵に捕らえられたクラリスを救出し、地下の牢獄からの脱出を試みます。一時は協力をしながらも、状況は次第に混乱を極め、伯爵との対決が避けられなくなります。偽札の秘密を知るルパンは、伯爵の策略を打破するために奔走し、緊迫したカーチェイスやアクションが展開されます。

際立った特徴

本作には多くの見どころがあり、特に宮崎駿の独特の演出が光ります。物語の中でルパンは非常に優しい心を持ち、かつての自己を回想しながら、善悪を越えた情熱を見せます。また、クラリス姫はただの囚われの姫君ではなく、自らも運命に立ち向かう姿勢を持ち合わせたキャラクターとして描かれています。このような新しいヒロイン像は、宮崎作品に見られる傾向の一部でもあります。

評価と影響

本作は、初公開時には若干の賛否がありましたが、のちに評価が確立され、「日本アニメーション史に燦然と輝く名作」として認知されています。特に、宮崎が示した物語の繊細さやキャラクターの深みは、多くのファンの心に残り、後続の『ルパン三世』シリーズにも影響を与えました。映画のアートスタイルや作品のテーマは、アニメーションにおける新たな可能性を示すものとして、今なお多くのクリエイターにとってインスピレーションの源となっています。

もう一度検索